押しピン

年末嫁が部屋を見て「物欲のかけらも感じられない」と言った。

バカな…。と思いつつ。確かに納得する。

今オレの部屋にあるのは楽器一式とレコーディング機器一式とオーディオ一式とパソコン一式とゲーセン一式と安倍晋三のマニフェストと香典と『ニートと童貞・処女の里』の閉鎖病棟があるだけ。

…列挙してみるとけっこう頭がいかれている気がする。この部屋に疑問を感じないアイツが一番やばい気がしてきたが、実際問題オレから物欲は消え失せている。

もう欲しい物がないんだ。

僕が一番欲しい物は絶対に手に入らないから。正確にはお金では買うことができないから。

それ以外に価値がないとは言わない。ただ、それさえ手に入るのならば僕は全てを捨てる覚悟があった。その残像がこの部屋の成れの果てである。

これでも昔はそこかしらが”桜の枯れない島”だった。入口に『初音島』と言う表札が付いていたし…。

色々あった…。僕が僕でなくなった過程には。

誰かと話すことは実は何よりも自分自身と向き合う事なのではないのかとこの歳になって思ってきた。

僕はずっと…僕と語り合ってきた。でも…それは何一つ自分と向き合っていなかったのではなかろうか?

 

はてさて

かつて私は最も嫌いとする人種を「彼氏の趣味に合わせる女」と認定していた。

今では結婚して幸せにやっている彼女がある日「楽器はやっぱりベースよね」と言い出した時、本気でケンカした事を覚えている。だって、それまでモー娘。とかジャニーズとかのアイドルしか聞かず、バンドサウンドの何たるかもわからない人間がベーシストの彼氏ができたとたんにベースの良さを語ってきたからだ。

だけどね…今では彼女と心の底から和解している。

人間さ…生きていけば生きていくほど意味がわからなくなる。

自分って何なんだろう?と言う疑問が片隅を一度よぎったが最後、永遠の迷路に足を踏み入れる。

かつて私は二本の足で大地を踏みしめていた。それは絶対にゆるがない物だった。その結果…私はあまりにも多くのものを失った。泣いた…泣いた…泣きつかれて…涙が出つくしても僕は微動だにしなかった。出来なかった。うすうすわかって来ていた。自分が間違っていると。でも、その間違いを認めてしまうと今日まで生きてきた意味がなくなる。明日からどうやって生きていけばいいかわからなくなる。どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…どうしよう…。考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えて…考えた。

死のうって。

二択だった。死ぬか死ぬか。僕は死を選んだ。

そして始まった人生。僕にはもう何もありません。

かつて自分を支えていた物がなくなった。かつての僕には善悪があった。自分に出来る事と出来ない事があった。でも今ではそれがない。何でもできる気がするが、何一つ出来る気がしない。本当に意味がわからない。だから、意味を教えてほしいと心の底から願い探している。

かつて…彼女が付き合う男によって趣味がコロコロ変わっていく様を本気で軽蔑していた。だけど、今ではそれすらもよくわかる。彼女もまた本当に意味がわからなくなっていたんだな~と。だから、答えを求め続け…全力で失敗し続けた。失敗の度にオレにすら馬鹿にされ、本当に辛かったと思う。

だけど、いま彼女の手には命がある。彼女は見つけたんだ。答えを。アレだけフラフラしていた彼女は今誰よりもしっかりした足で大地を踏みしめ明日を見ている。

以前ここでも書いた気がするが、死は始まりである。

死を受け入れた先にあるのは死である。しかし死を拒んだ末に訪れるのもまた死である。どちらを選ぶも結果は同じである。問題はそこに至るまで道筋だ。

誇りを抱いて溺死するか、泥にまみれて餓死するか。

ある人と話している時にケンカになった話題がある。

訪れるのは後悔である。ならば、やって後悔するか、やらずに後悔するか。

僕はやって後悔する方が好きだ。そのために泥にまみれて餓死する道を選んだ。

頑張ろうと思うんだ。お茶碗をも持つ手もわからない私ですが。

はぁ…明日が来る。

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目安箱

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