押しピン

いつまでも…どこまでも…中二病。

そんな僕の口癖は「あのバンドが売れる前からファンだった。」

2年前かな?初めてスキッツォイドマンを見たのは。

大興奮のなか、失礼も顧みずktさんに「ワンマンやらないんですか?」と尋ねたら、「やりたいんだけどね…」と口を濁し、直後に「いつかは…絶対にやりますんで、絶対に来てください。」と言った。

……彼は約束を守った。

……ならば僕も約束を守らないわけにはいかない。

例え、財布の中身が乏しかろうとも。

 

はてさて

そんなわけで、引きこもりは故人との熱い約束を実行に移すために、雪の降る中、岡山県に行ってまいりました。

色々あって、着いたのは時間ぎりぎり。入場ナンバーは3だったので、惜しい事をしたが、まぁ間に合ったからよし。別に最前列で見られなくても良いとは思っていた。ただ会場に着いて僕は震えたよ…。

だって、箱に入れないんだもん。人が多すぎて。

そんなライブだって何回も経験してきた。でもさ…スキッツォイドマンのライブでは初めて。しかも、今回はワンマン。そこに蠢く人間全員がスキツォイドマンを見に来ている。何かも…その段階で凄くエモくなってしまった。

しかもこのエモさはどんどん加速していく。

何とか箱に入れたものの、一番後ろで何も見えない。仕方がないので前の様子を伺っていたら、そっと場所を開けてくれる方がいた。しかも1人じゃなくて何人も。気付いたら僕は最後尾から真ん中よりも前の位置に来れてしまっていた…。なんて素晴らしいお客さん達なんだ…。

この場を借りてお礼を言います。本当にありがとうございました。

そしてライブ終盤…故人がいつものパフォーマンスをステージ上で行いだすと、なんと最前列の方々が膝をついて屈みだしたのだ。もちろんそれは故人がお願いしたわけではない。最前列のファン達が自らの意思で、後ろにいる人達にも見てもらえるようにと屈んだのだ。

…極めつけは最後の物販。

いつもは箱のスタッフが物販の列を捌いているのに、この日はファンの方々が持ち回りで物販の列を捌きはじめた。

……………なんだこの………絵に描いたように素晴らしい人間たちは?

正直言わせてほしい。出来過ぎていて気持ち悪いと。

でもさ…そのファンの行動には納得できる。

だってさ…その物販の先頭で物を売っている故人は、ワンマンステージで誰よりも走り回り、終了後は誰よりも先に物販ブースに入り、マイナス温度の野外で、服も満足に着ず、素足で物販を買いに来てくれた人達全員に深く深く頭を下げていたからだ。

いやさ…こんな人がいたらそりゃ誰だってそんな立ち回りをするさ。オレだってしていたもん。

愛されている。否…こんな人間を愛さないわけにはいかないだろう。

曲が素晴らしいのは言うまでもない。だけど、スキッツォイドマンの最も凄い所はその人柄、そしてその人柄に惚れ込んだファンの優しさだと思う。人柄で売る色物プログレバンドって、もうその段階でオレは大好きすぎる。

故人はおそらくあの日だけで100回近く「ありがとう」と言葉を口にしていたが、その言葉をそっくりそのまま返したいと思う。こちらこそ本当にありがとうございました。

「また来ます。」それはお互いの口から出た言葉だった。

思いの強すぎる忘れられないライブとなった。

……最近いろんなファンの暴動を聞くが、それって結局そう言う事をする人達に受ける作品なんだろうと思う。

多分さ…故人には申し訳ないが、スキッツォイドマンを追っかける人の中には自ら命を絶つ人間はいる気がする。でも、誰かの迷惑を顧みない人はいないと思う。

そんな作品作りを心がける事が、何よりも悲しみを産まない事なのではないのだろうか?

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目安箱

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目安箱