押しピン

…何でも許容してくれる社会が訪れようとしている。

もちろん戦争が無くなる事はないので、結局は価値観の変遷でしかない。簡単に言うと、昔許されたことが許されなくなって、昔許されなかったことが許されるようになっただけ。だから、人々が寛容になったわけではない。

『君の名は』を見ていてそんな事をとてつもなく思った。

僕は絶対に認めない。この作品がジブリやドラえもんと並ぶ大人も子供も安心して楽しめる映画だとは。

こんな作品が面白いと言う人間はキモオタと自己主張無き平民だけなはずなんだ。

だけども…それでも…オレは新海誠さんを心の底から尊敬する。

 

はてさて

どっから話そうかな…。

少し昔の話をしよう。大人になってアニメを見ている人間は犯罪者と言われていた。そしてちょっとだけ昔の話をしよう。大人になってアニメを見ている人間=キモオタの方程式が誕生した。そして今の話をしよう。大人がアニメを見る時代になった。

言わずもがな…僕はアニメ=キモオタの方程式の時代に思春期を迎えた。

今でいうリア充が彼女と遊んでいる間、ひたすらアニメを見まくった。あまつさえ自分でアニメを作ろうとしていた。

もちろんそれだけが原因ではないが、そんな僕に同級生が向ける目は軽蔑の色一色だった。

以前にも書いたと思うが罰ゲームで僕専用の窓口が作られた。昼休み机を合わせて楽しい昼食が繰り広げられる教室で、僕の机だけがポツンと真ん中に1つだけ置かれていた。英語の授業…僕のパートナーはいつも教員だった。修学旅行で小説5冊読破した。

僕が当時書いていたマンガでもそうなんだが、この手のキャラには必ず一人は、気を許せる、理解してくれる存在がいるはずなんだが、僕にはそれすらいなかった。断言できる。当時一番話していた相手は教頭だと。

自分で言うのもなんだが…よく自殺しなかった思う。オレが自殺しなかったのはもっと複雑なアレやコレのせいなのだが、それと同様にあったのが、オレを見下した連中を地獄の炎で燃やし尽くしてやると言う憎しみだった。憎しみだけで地獄の日々を耐えきった。

そして今…僕はおまけの人生を生きている。かつて生きる糧にしていた複雑なアレやコレは解決し、見下した連中を地獄の炎で燃やし尽くす事もなく、笑いながら会話しつつ、一刻も早く死神が来るのを待っている。

だけどコレは、全く持って一ミクロンも僕が憧れた未来じゃない。最低最悪のゴミクソ人生だ。逃げに逃げたカッコ悪すぎる負け犬の末路だ。

新海先生が生きた時代。それは僕よりも過酷な前時代。アニメを見ているだけで犯罪者の烙印を押された時代。彼はずっとアニメを作り続けた。それはもう…本当に誰からも理解されない、誰からも認められない辛い時代だったのではなかろうかと推察する。むろん私のような背信者にはその苦労を想像する事すらできないのだけど。

しかし…先生はそれを乗り越え…社会に名を届けた。それこそ正に僕が憧れた地獄の炎で燃やし尽くすだ。

はっきり言うと『君の名は』を面白いとは思わない。こんなもん中二病のキモオタがウハウハするだけのどうしようもない作品である。だけど…そのどうしようもない作品を僕は何より好きだった。そのどうしようもない作品の素晴らしさを世界に届けようとしていた…。

この涙は作品が面白かったからでは決してない。当時の私が夢見た世界が訪れた事に対する喜びでもない。ひとえに悔しさだ…。

この世界において夢をかなえられた人間は、全体の数パーセントに満たないと思う。大部分がどうしようもない現実に押し流されて、押しつぶされた。そんな人間に届けられた一筋の光と考えた時、新海誠の作品は少しだけ色が変わって見える。

それは彼の特徴である夕焼け色した空のように。

コレはエヴァンゲリオンをビックリの僕の妄想でしかない。ただね、僕がこの映画から感じる事はそれだけなのよ。

なんと言うかな…頑張ろ。

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  1. […] 君が眠っていた間のストーリー […]

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